九段下に潜水艦浮上す

suzukikeiichi2009-02-22

手作りの巨大幻影潜水艦、九段下に浮上す。なにしろ手作りで人力ゆえ、支える舞台裏は凄まじい。壮絶を楽観する。船体のその全貌は誰もまだ見ていないのだ。コンサートが始まってしまうまでは。パーツを作るのが最優先。潜水艦は歪もうが浸水しようが、とにかく浮上し、そして静寂がおとずれた。終了だ。ヴァイオリンは見事に水先案内人の激務を果たした。私は2等機関士をもくもくと楽しんだ。この位置は1970年にオーディエンスの前で演奏を始めた頃、目指していた場所だなあ、などと考えながら今日は舞台の上にいた。フロントマンだなんて一度たりとも意識したことはなかったんだと、今日思った。これぞ本来の好きな居場所なのだ。昼に楽屋に到着すると、みんなもう口三味線で練習していた。驚いた。岡林信康さんが突然登場しまたまた驚いた。会場を見に来たらしいが、よりによって今日とは。コーラス部隊にシンゴがいてまたびっくり。全員揃っての演奏は、よくわからないが多分、今日の本番だけだ。本番直前に歌を一節歌ってくれとあがたから頼まれる。みんな本番まで隠してるプレイ続出の旧友バンドコーナーだった。リハーサル中にギタリストのストラップが切れて、痛めた腕をさらに痛めたのが、一番気がかりだったが、打ち上げではその腕を捻ったりして遊んだが。リハーサルで緑魔子さん登場のところで、マイクの位置が逆だったり、低すぎたり。いやー、昔を思い出した。35年ほど前、ライブ中に私のマイクに近づいていらしたので、あちらのマイクでと合図をしたら、そのマイクは壊れてて、だからこっちに来たのだった。すいませんでした。怒られたなあ、あの時。いろんなモノが演奏中に去来するライブだった。最後の曲が終わってジーンとした。あがたは楽屋裏の、外の洗濯場でコンクリの上に仰向けに倒れてた。ヴァイオリンは今日で燃え尽きると宣言してたそうだ。力石か?尽きられちゃ困るんだが。レコーディングもあるし。打ち上げは見に来てた友人に、ラストオーダーのビールを一杯奢ってもらう!不思議な事になった。ごちそうさま!。2次会でペダルスティールの弦が5本くらいブチ切れる。初めて見る光景に驚く。私は、怒られるたびに手を痛めてるギタリストの腕を捻る。一体どういう関係だ?我々は。ムチャクチャ可笑しいんですが、笑うと怒られる。怒ると言うより、意見する、かな。なんていう風に船乗りのように飲んで深夜になって行くのだ。
すごい一週間だった。一生忘れないな。
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