張り込みか!

衛星劇場を見ていたら、また「張り込み」58松竹、に遭遇。見てしまう。さらにその後「シネマ紀行、張り込み」あれれ、これはかつて私が、とある番組で「張り込み」のロケ地を探して旅したのと似てるぞ。佐賀まで行った。バスジャック事件のちょっと前、バスを追うシーンも撮った。犯人の足取りを追う柚木刑事の後を追う私、大分から熊本まで足をのばし、温泉宿の跡地で終わってしまったが。バスの終点で、アイスクリームを落とす運転手と車掌さん役だった夫妻に会ったり、老人用の施設で、柚木刑事に「ここを男女が通らなかったか?」と聞かれる農民の役だったおじいさんに会った。話はもう聞けない状態だったけど。「シネマ紀行、張り込み」を見ていると、おお、ここも行った、あそこも行ったなど思い出す。1本の映画が随分と多層的に見れて、不思議な気分だ。夏は「張り込み」に限る。この映画の醍醐味は、東京の下町で起きた殺人事件を、九州は佐賀まで移動して追って行くところだ。まったく違う景色をくっきり浮かび上がらせ、さらには犯人と温泉にまで行ってしまう主婦の、非日常的行動と、また再び普通の生活に戻るであろう、その後を暗示して終わるという、もの悲しい結末だ。