取材とたくさんの作業と務

午後から取材。相対性理論について。j.i.s.m.の新しく片付けられた部屋は心地よい。なんだか、この部屋とかスタジオで仮眠する時間が多くなったものだ。取材終わり、ライブのセットリストの歌詞と譜面をプリントアウトしてもらい、さらにサンプラーの内部をチェック。たくさんのセグメントが集積する。例えば、DVDのプロデューサーの、ある程度つながったムービーを見ての助言とか、新たに出来上がった映像の確認とか、ジャケット周りの英文のチェックとか、デザインのチェックとか、はたまた、昔やってたバンドのテープが見つかったとか、一つ一つ結論を出し、返事する。これは嵐だ。創造のストームのど真ん中にいる。重要なのは分業だが、作られたモノの塊の最後のスイッチを押し、人造たる何かを動かすには、独裁者となるんだろうな。それも一瞬だけ。直後に分業者の1人となる。これの繰り返しだ。そんな時、久住昌之さんの「野武士のグルメ」を便所で読む。くくくと笑いながら。生野菜定食に大笑いし、9月の焼きそビールの美しい光景に、じんとなる。あの井の頭の桜の木は、我らがバンドのヴァイオリン弾きが登って撓んでヴァイオリンを弾いた木か。よく折れなかった。70年代の花見の夜。などと、束の間の蚊取り線香の匂いのように、心落ち着く本なのだ。で朝となり帰宅だ。
野武士のグルメ
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2009年 07月号 [雑誌]